小沢健二。

犬は吠えるがキャラバンは進む

犬は吠えるがキャラバンは進む

#2“天気読み”がとにかく好きだ。

『雨のよく降るこの星』とか、『君のいっつも切り過ぎな前髪みたいな変な気持ち』だとか。
小憎らしい言葉選びがたまらない。
くるくる踊りだしたくなっちゃうようなキラキラしたことばたち。
もう本当、チョー大好き。


リニューアル盤の『dogs』では削除されてしまったけど、このアルバムには小沢が自ら綴ったライナーノーツが収録されている。以下に引用するのはその中の一部だ。

『どうかこのレコードが自由と希望のレコードでありますように。そしてこのCDを買った中で最も忙しい人でも、どうか13分半だけ時間をつくってくれて、歌詞カードを見ながら"天使たちのシーン"を聴いてくれますように。ついでに時代や芸術の種類を問わず、信頼をもって会いに来た人にいきなりビンタを食らわしたり皮肉を言って悦に入るような作品たちに、この世のありったけの不幸が降り注ぎますように』


まぁ、オザケンとかいうやつは本当にクソ真面目で完璧主義者のチョー嫌なやつなんだと思う。
僕はコイツの事が本当にもう、チョー大嫌いなんだけど、でも、嫌味な分だけ彼は本当にチョー誠実なように思う。
少なくとも、『どうかこのレコードが自由と希望のレコードでありますように』なんてブチあげるような人間は(それがどんなにいやなやつだって)信頼できるように思うから。
だから、13分半だけじゃなくって、アルバム1枚くらいは本気で付き合ってやろうじゃないかって気にさせてくれる。
まぁ、それにしたってなんだって暇だからね、僕は。 それぐらいしようじゃないか。