スーパーロボット大戦Z
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先週発売となったわけですが、クリアしました。スーパー系男。
なんか、良い意味で昔のスパロボっぽさがあって良かったですね。
カオシックなクロスオーバー具合が。
戦闘アニメやシステムについては僕が書くまでも無く。
素晴らしかったですね。
僕が今回お話したいのはシナリオについて*1。
これは(スパロボとしては)ひっじょーーーーーーーーーーーーーーーーーーに新しい!!!!!!と感じました。
今回のシナリオ、批評性というか、諷刺的なメッセージが強く込められているんですね。
序盤の終わりで時空が崩壊し、様々な作品世界がごちゃまぜになってしまう事件が起こります。
その後、混乱を沈静化する為にUNという情報端末が世界中に設置され、あらゆる世界の情報にアクセスすることが出来ます。要するにインターネットなんですね。
オリジナルの敵組織はこのUNの情報を操作し、他の組織*2の手柄を横取りしたり、2部隊に分かれて行動する主人公たちの悪評を流して仲間割れを起こさせたり。終盤では民衆はUN情報に完全に依存し、踊らされ、世論は敵組織の思うがまま。主人公達はテロリストとして『世界の敵』ということにされてしまいます。
こう書くと安っぽくなってしまいますが*3、「インターネット社会の恐怖」が描かれていくんです。
他にも、時空が崩壊して世界が不安定になり、未来が見えないことで鬱病*4の人が増えたりなど、世相を反映したシナリオになっています。
今までのスパロボのシナリオ、特にオリジナルのパートに関して言えば、『ロボットアニメ』という文脈から判断するならば、そこそこにお約束を踏まえた面白いものでした。
しかし、他作品の設定の齟齬を埋めるというシナリオ上の役割を越えたことは無かったように思います。
映画評論家の町山智浩氏が、『(映画、ひいてはシナリオというのは)何か現実の問題を反映していなければならない。そうしなければ、誰も共感・感情移入できない、ただの「おはなし」になってしまうからだ』というようなことをよく言っている。
その視点から言えば、従来のスパロボのシナリオは全くもってダメダメだったわけです。
しかし、今回のZでは少なからず現実の世相とか問題を反映したシナリオになっているわけで、これは大きな進歩であるといえるのではないでしょうか。
まぁ、映画などの成熟したメディアに比べれば、その描き方は直接的に過ぎ、まだまだ未熟です。
それに、メンバーの入れ替わりが激しかったり、主人公によってはかなり長い間使えないユニットなども多い。また全体的にシナリオがブツ切りだったりシャッフルや改変も上手くいっていないところ多々ある。
とはいえ、このシナリオの『変化*5』は、スパロボシリーズにとって幸福な一歩なのではないかと思います。オススメです。