くるるるるるり

これもストックだぎゃ。

ワルツを踊れ Tanz Walzer

ワルツを踊れ Tanz Walzer

全曲ウィーン録音、オーケストラと競演なんて事が前々から騒がれていた。
ちょっと身構えてしまいそうな大作かと思ったら、結構親しみやすい曲が並んでいて驚く。

先行シングル“ジュビリー”のジェリーフィッシュや後期ビートルズもかくやといった(ある意味オーバープロデュースとも云える)壮大さから、「(ジュビリーは)良い曲だけど全曲そんな感じだったらちょっと疲れちゃうかもなー」とか思っていた僕にとっては良い意味で予想を裏切られた形になった。
クラシックっていうよりもトラッドでフォーキーって言った方が合ってる。アンテナはアメリカンな感じだけどこれは東欧っぽい。アメリカとは違う意味で乾いてそう。乾いてるけど湿り気がある、みたいな。季節風フォークロック!(我ながら適当すぎる)

クラシックっていうと燕尾服を着て、ビシーッと決めたような堅苦しいイメージだけど、このアルバムはもっと楽しくて、生活の中で歌われてきたような身近な感じがある。要するにすげーポップってこと。
そう、「岸田繁クラシックに傾倒」なんつったって、これはポップでメロウなロックアルバムなのだ。
これは、本当に彼らがやりたかったこと*1が結実した結果なのか、何か上手くいかねーからこうなったのかは分からない…けど、くるりは結構器用なバンドだと思うし、岸田は色んな雑誌で「俺ら、所詮ロックバンドですから」みたいな自嘲とも自負ともとれない(恐らく両方なんだろうけど)発言をしてるから、どっちかというとその自負みたいなのが勝ってこういうカタチになったんでしょう。多分。


ま、そんな細かい事はどうでもよく。
いいアルバムだと思います。

とりあえず“ブレーメン”と“ことばは三角こころは四角”は本当に名曲だと思う。
最初と最後がいい曲なアルバムはいいアルバム。うん。

*1:岸田がいう『ビートからの開放』という話はすごくよくわかる。俺もそういうのめざしたい。