轟音のむこうに

エーガの日だったので映画を見てきました。一人で。イエースアイアムロンリネス。神よ、何ゆえにわれを見捨てたもうや。

そうです。『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』を見てきました。
まぁ詳しい事はhttp://moviessearch.yahoo.co.jp/detail?ty=mv&id=323641で。

いや、アレですね。褒めたら良いのか貶したらいいのか。
まぁ金取ってる映画としては最悪の部類に入りますけど僕は好きですよ。


PVのような映画、かと。褒めて無いです。
前半は色んなトコで色んな音源を撮ってひたすらレコーディングしてるシーンが続いてました。音楽(しかも演る方)詳しい人じゃないとついていけないんじゃないかなぁ、とか。


PVのような映画、と言ったのはクライマックスの浅野の演奏シーンにすべてが集約されるから、でしょうか。
途切れる事のないフィードバックノイズと轟音の渦に巻き込まれまた。恍惚。


ただ残念な事が幾つか。この映画と繰り返されるノイズの洪水に『物語』がないことだと思う。轟音には物語が必要だ。マイブラしかり、ライドしかり…。


監督が云うにはこの映画でいうノイズは『肉体を越えてやがて宇宙とひとつにすらなれるような』ものらしいので、まぁチンケな物語なんて必要ないのかもしれないけど。

あと身体性が無さ過ぎることか。言い換えれば死への畏怖や敬意の欠如。同じく浅野忠信主演の『ヴィタール』にはそれがあった。そこが作品の格を決めたか。

この作品における浅野は『シューゲイザー』といって全く差し支えないと思う。浅野の主観視点で靴を見つめながら演奏するカットなんてもうこれみよがしな感じ。



靴先を見つめ続けた後には何があるのだろうか。何が残るんだろうか。轟音のむこうがわには何があるんだろう。

たぶん、それは命とかたましいだとか、よくわからないもの。でも僕はそれをこの映画から感じることはできなかった。死が軽すぎるのだ。


つらつら思ったことを書いてたら全く纏まりがありませんね。
まぁ、音楽やってる人には是非とも劇場で見ていただきたいです。是非是非。DVDで見たら魅力200分の1ですから。
まぁ今週の金曜で終わっちゃいますが(;・∀・)