群青の空を越えて
実際、まだあんまりプレイ出来ていない。今は若菜を芝居に誘ったとこぐらいだ。体験版ラストのトコまですらいってない*1。
いや、それにしてもだ。このゲームは、すごい。とにかくすごい。それは良い意味でも、悪い意味でも、あるんだけども。
何がすごいかといえば、このゲームには、いわゆるエロゲー的な『都合の良い思考回路』を持ったキャラが居ない。
加奈子というロリキャラ*2が居る。公式のキャラ紹介を見ればわかるが、彼女はエースパイロットだった亡き兄の事を想い、彼の死を理解するために彼の職場であった筑波戦闘航空団で整備の手伝いをしている。
普通、こういう立ち位置のキャラは、お前、頭おかしいんじゃないか?ってくらい純粋無垢な性格をしているのが普通だろう。だが、このゲームでは彼女でさえも自分を取り巻く環境がどういう状態にあるのか、(自らの知識が及ぶ範囲で、おぼろげにだけど)ちゃんとわかっている。
この骨太さと人物描写の徹底がこの物語にリアリティを与えている訳だが、その美点が最大の欠点をも生み出している様な気がしてならない。
なんつうか、萌えないのだ。群青のキャラ達はとても素晴らしい、筆力のあるシナリオによって血と肉を与えられた彼らには『存在感』ってやつがあると思う。だが、その存在感が生々しすぎる*3のだ。隙が無い。無さ過ぎる。
ある種現実から逃避するためにゲームをやっている、というのは誰しも少なからずあると思うのだが、このゲームのキャラ達はあまりにも隙が無さ過ぎて僕らがゲームをプレイする事で少しの間距離を起きたかった3次元の人間と大して変わらなくなっちゃってるのだ。
キャラに血と肉を感じれば感じるほど(萌えのハードルは高くなるが)より強く、大きく萌えまくるのではないか、と考えていたのだが、それはエロゲ/アニメ/マンガ的なユルさが少なからず存在しているという前提の話だったのだな。と。思いました。*4
まぁ、まだあんましプレイ出来てない段階の話なんでここからどう『ユルさ』と『リアルさ*5』の共存を見せてくれるのかな、と期待してプレイを進める事にする。
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そう、ヴィジュアルノベルとしては最高の出来なのだ。エロゲーとしてその土俵で戦えてるか、というハナシは別として。
以前『萌え』のハードル上げについて書いた文章。
http://d.hatena.ne.jp/HtandJING/20050911#1126372196