ローレライ

見てきました。『天使大戦エンゼルギア The Movie-Loreraiの天使-』じゃなかった…邦画春の大作『ローレライ』です。
ネタバレするかも知らんので嫌な人は読まんでくらはい。


えーと、率直な感想を言わせてもらいますと、面白かったですよ。とっても。直前にボーン・スプレマシーを見ていたことや、ちょぼい映画館だったのでケツが痛かった*1という諸所の事情のお陰で今一入り込めなかった感はあるんですが。


まず序盤のスピード感溢れる展開に痺れます。
普通の映画だったら役所広司演じる絹見艦長の背景をうだうだ説明して30分は使うところですが、この映画はそこをバッサリ切って、開始10分足らずで潜水艦乗っちゃいます。そして乗組員に向かって感動的な演説をブチ上げます。カッコイイ。タメも何もあったもんじゃないってのはあるんですが。*2


えー、その後は序盤のスピード感とは裏腹に意外とまったりと進んで行きます。
伊507出航までが異常なスピードで進んでいくのはやっぱり予算とかのオトナの都合って奴なんでしょうか。潜水艦内部のドラマなら一度セット作っちまえばどうとでもなりますしね。
でもまぁ、中々潜水艦に乗らずに中盤まで延々と陸上のドラマを見せられたらキレてたとこなんで、良しとしますか。*3


んで、まんま深海版『ニュータイプ』なヒロインのパウラとか潜水艦で『そこっ』『見えるっ』とか出来ちゃうローレライシステムとか(違う)、富野信者ぶりを堪能しつつ、船員の反乱ありーの、ツマブキとパウラのロマンス*4ありーの、まぁお約束ですね。


クライマックスでは原爆投下を阻止するために大艦隊を相手に潜水艦1隻で立ち向かう伊507。完璧な索敵システムである『ローレライ』の唯一の欠陥*5を補うための作戦はありがちですが(玉突きになる戦艦とか)絵的に面白かったです。


色々ツッコミ所は多かったのですが、それを無視できるくらいのパワーを秘めた映画だと思いました。何というか、CASSHERNをあんなトラウマ 超 映 画 にせずに*6真面目にエンターテイメントとして撮ったらこんな感じになるんじゃあないでしょうか。
残念なのはキャラの掘り下げが浅すぎるというか、台詞でサラッと説明されるだけなんですよね。深い浅いの問題じゃない。役所サンのおかげで救われてる感はあるけど、艦長が中井貴一だったらヒドい事になっていただろうナァ。*7
あ、ピエール瀧オイシすぎ



最後に。一つだけどうしても許せなかったことがあるんです。
あんなー、佐藤隆太よー。
そんなマヌケな死に様で感動なんてできるかヴォケッッッ!!! 萎え萎えじゃい!
佐藤隆太ファンの方ゴメンナサイ。いや、彼が悪いんじゃないんだけど……でも、アレはねぇよな。アレは。

*1:僕はガリなお兄さんなので硬いイスに座ると3分でケツが痛くなってしまうのです。

*2:普通の映画なら中盤のヤマ場ですよね、ココ

*3:諜報部の人が頑張る陸上パートは良いアクセントになってたと思います。それも役所さんがさっさと潜水艦に乗っちゃった事が功を奏していたのか。

*4:ちと違うか

*5:敵を撃沈してしまうとパウラの精神が耐え切れずシステムダウンしてしまう

*6:CASSHERNの方向性はあれはあれで大好きなんですけど。

*7:人選に深い意味はない。貴一サンはイージス出るからパッ思い浮かんだだけです。